創立20周年記念行事・第2部「パネルディスカッション」の概要報告

 

創立20周年記念行事・第2部「パネルディスカッション」の概要報告

                         報告者:広報委員長 小野瀬敬二

 

開催日 2017(平成29)年6月24日(土)

場 所 法政大学市ヶ谷キャンパス・富士見ゲート 2階 G201教室

主題 企業・団体法務部の今日的役割

司会 法学部同窓会事務局長 齊藤友嘉

パネラー 青木修(日本曹達株式会社)、守田達也(双日株式会社)、阿部豊(横浜市役所)、

     小田啓(株式会社サイバーコミュニケーションズ)、加藤宏隆(日本銀行横浜支店)

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1 開催趣旨

 司会を務める齊藤事務局長から「法学部同窓会の寄付講座「企業・団体法務部の実務」が本年度秋学期から開講しますので、上記の主題により、企業・団体等の現職の方々をお招きし、実際に体験された案件について具体的に語って頂くことになりました。」と開催趣旨の説明がありました。

 

2 体験された案件

 パネリストから自己紹介と職場でどのような仕事をされていたかなどの紹介後、実際に体験された次のような案件について紹介して頂きました。

 ①1年半を要したベトナムでの会社買収、②発電機納品後の紛争で海外仲裁となり、製造会社を巻き込み大きくなった紛争案件、③香港の会社との紛争を大阪で初めての仲裁となった案件、④前記仲裁の途中でメーカーが倒産し解決が難航した案件、⑤営造物管理に伴う「通常有すべき安全性」に関する様々な課題、⑥個人情報の取扱に関する諸課題、⑦正月休み直前に起こったグループ会社間の買収交渉、⑧リーマンショックや東日本大震災のときに金融が滞ったときに法律の制約のなかでのベストな対策

 

3 法務部の役割と仕事のやり甲斐

 次に、法務部の役割と仕事のやり甲斐については、次のような点が挙げられました。

 ①会社の事業を支える重要な要の役割を担っている仕事であり、法務部を目指す方を増やしていきたい。②危機対応に対する法律的知識を持った組織の役割の必要性は高まってきており、それが仕事のやり甲斐でもある。③紛争や課題が生じたときは、公平公正な、誰もが納得する解決策を模索することが大切であり、やり甲斐でもある。④企業の守護者としての役割と持続的な成長をサポートするような役割が今後の法務部の位置づけになってくると思う。

 

4 学生さんへのメッセージとして次のようなことが語られました。

 ①法律というのは体系的に勉強しないとなかなか頭に入ってこない。社会に出てから法学部で勉強したというのは非常にアドバンテージになると思う。②仮に法務部に配属されなくても、企業の法務部の仕事を理解していただいて、事実確認の仕方とか、問題解決の方法とかを吸収していただければ良いと思う。③法律的なバックボーンを持った人間というのは、法務部に限らず企業、組織、色々なところに出て行って、日本だけでなく世界に出て行って欲しい。④法学部で学んだことは、実務経験を積むなかで、何か問題が起こったときに、解決への手がかりがつかみやすかったと感じている。気を引き締めて勉強していくと、卒業後キッと役に立つ。⑤常に上機嫌で居られるような環境で生活することを勧めます。不機嫌なときにはパフォーマンスが発揮できません。

以上

*詳細については、2017年11月に発行予定の会報第35号に掲載します。

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